FAGA治療、皮膚科で受けられる主な方法

FAGA(女性男性型脱毛症)の診断を受けたり、その疑いがある場合、皮膚科や女性の薄毛治療を専門とするクリニックでは、どのような治療法が提案されるのでしょうか。FAGAの治療は、その進行度や症状、個人の体質や希望などを考慮し、医師と相談しながら進められます。代表的な治療法としては、まず「ミノキシジル外用薬」の使用が挙げられます。ミノキシジルは、頭皮の血行を促進し、毛母細胞を活性化させることで発毛を促す効果が期待できる成分です。日本では、女性向けのミノキシジル外用薬として、1%濃度のものが市販薬として承認されていますが、医療機関では医師の判断により、より高濃度のものが処方されたり、他の有効成分と組み合わせた院内製剤が用いられたりすることもあります。毎日継続して頭皮に塗布することで、数ヶ月後から効果が現れ始めると言われています。次に、「スピロノラクトン内服薬」が選択肢となることがあります。スピロノラクトンは、もともと利尿薬として用いられていますが、抗アンドロゲン作用(男性ホルモンの働きを抑える作用)も持っています。FAGAの原因の一つと考えられている男性ホルモンの影響を軽減することで、薄毛の進行を抑制する効果が期待されます。ただし、電解質異常や月経不順などの副作用のリスクもあるため、医師による慎重な処方と定期的な経過観察が必要です。また、「パントガール」に代表されるような、毛髪の成長に必要な栄養素(パントテン酸、ケラチン、L-シスチン、ビタミンB群など)を補給する目的の内服薬(サプリメントに近い位置づけのものも含む)も、FAGA治療の補助として用いられることがあります。これらの成分が、毛髪の組織細胞の代謝を活性化させ、髪の成長をサポートするとされています。さらに、クリニックによっては、「注入治療(メソセラピー)」や「低出力レーザー治療(LLLT)」といった、より専門的な治療法が提案されることもあります。注入治療は、ミノキシジルや成長因子などを頭皮に直接注入する方法で、低出力レーザー治療は、特定の波長のレーザーを頭皮に照射し、毛母細胞を活性化させるものです。どの治療法が最適かは、医師との相談が不可欠です。