私が自分の前頭部、特におでこの生え際の薄さが気になり始めたのは、大学3年生の時でした。就職活動のストレスや、不規則な生活が続いていたせいか、ふと鏡を見たときに、「あれ?なんだかおでこが広くなったような…」と感じたのです。最初は気のせいだと思いたかったのですが、写真を撮るたびに生え際が後退しているように見え、だんだんと深刻に悩むようになりました。特に、髪をアップにしたり、風が吹いたりすると、気になって仕方ありませんでした。周りの友達は誰もそんなことで悩んでいなかったので、誰にも相談できず、一人でインターネットで情報を漁る日々。市販の育毛剤を試してみたり、頭皮マッサージをしてみたりしましたが、目に見える効果はありませんでした。そんな時、思い切って皮膚科の先生に相談してみることにしたのです。先生は私の話を親身に聞いてくださり、頭皮の状態を丁寧に診察してくれました。診断の結果、ストレスや生活習慣の乱れによる一時的なホルモンバランスの崩れと、毎日同じ位置で髪をきつく結んでいたことによる牽引性脱毛症の可能性があるとのことでした。治療としては、まず生活習慣の改善指導を受けました。具体的には、バランスの取れた食事を心がけること、毎日7時間以上の睡眠をとること、適度な運動でストレスを発散すること、そして髪型を生え際に負担のかからないものに変えることなどです。そして、補助的に頭皮の血行を促進する外用薬も処方されました。正直、最初は半信半疑でしたが、先生の言葉を信じて、できることから一つずつ実践していきました。食事は自炊を増やし、野菜やタンパク質を意識して摂るように。夜は早めに寝るようにし、週末にはウォーキングを始めました。髪型も、きついポニーテールはやめ、ゆるく結んだり、下ろしたりする日を増やしました。すると、3ヶ月ほど経った頃から、少しずつですが変化が現れ始めたのです。まず、抜け毛の量が減ってきました。そして、半年後には、気になっていた生え際の部分に、細いけれど新しい産毛が生えてきているのを発見!本当に嬉しくて、涙が出そうになりました。それからも地道にケアを続け、1年後には、以前ほど生え際の薄さが気にならなくなり、自信を持って髪を上げられるようになりました。諦めずに専門医に相談し、生活習慣を見直したことが、私にとっては本当に大きな転機となりました。