「最近、分け目が目立つようになった」「髪全体のボリュームが減ってきた気がする」…もしかしてFAGA(女性男性型脱毛症)かもしれない、と感じたら、まずは皮膚科や女性の薄毛治療を専門とするクリニックを受診し、医師による正確な診断を受けることが大切です。皮膚科でのFAGA診断は、一般的に以下のような流れで行われます。1. 問診:まず、医師があなたの悩みや症状について詳しく聞き取ります。いつ頃から薄毛が気になり始めたか、どのような症状か(抜け毛の量、髪質の変化、薄毛の範囲など)、生活習慣(食事、睡眠、ストレスなど)、月経周期や妊娠・出産の経験、家族歴(家族に薄毛の人がいるか)、既往歴や服用中の薬など、様々な情報を尋ねられます。これらの情報は、診断を下す上で非常に重要な手がかりとなるため、できるだけ正確に、詳しく伝えるようにしましょう。2. 視診・触診:次に、医師が実際に頭皮や毛髪の状態を直接観察します。頭皮の色や乾燥具合、炎症の有無、皮脂の量、毛髪の太さや密度、抜け毛の状態、薄毛の範囲やパターン(特に頭頂部の分け目を中心に診ます)などを詳細にチェックします。この段階で、FAGAの典型的な所見が見られるかどうかを確認します。3. マイクロスコープ検査(ダーモスコピー):必要に応じて、マイクロスコープという特殊な拡大鏡を使って、頭皮や毛穴、毛髪の状態をより詳しく観察します。これにより、肉眼では分かりにくい毛穴の詰まりや炎症、毛髪の太さのばらつき(軟毛化の有無)、毛髪の密度の低下などを客観的に評価することができます。4. 血液検査:FAGAの診断を補助したり、他の原因による薄毛(例えば、甲状腺機能の異常や鉄欠乏性貧血など)を除外したりするために、血液検査が行われることがあります。ホルモン値(女性ホルモン、男性ホルモン、甲状腺ホルモンなど)や、鉄、亜鉛、フェリチンといった栄養状態などを調べます。これらの問診、視診、触診、そして必要な検査の結果を総合的に判断し、医師はFAGAであるかどうか、あるいは他の原因による薄毛であるかを診断します。そして、その診断に基づいて、今後の治療方針や具体的な治療法、期待できる効果や副作用、費用などについて詳しい説明があります。不安な点や疑問点は遠慮なく質問し、納得した上で治療に進むことが大切です。