メタボリック症候群と頭皮環境
メタボリック症候群、通称メタボは内臓脂肪型肥満に加えて高血圧や高血糖、脂質異常などが重なった状態を指しますが、これが頭皮環境にとって非常に過酷な状況を作り出していることはあまり知られていません。メタボの状態にある体内では慢性的な炎症反応が起きています。脂肪細胞からは炎症を引き起こすサイトカインという物質が分泌され、これが全身の血管や組織にダメージを与えます。当然、頭皮の毛細血管も例外ではなく、炎症によって血流が阻害されると毛根への栄養供給が滞り、髪の成長力が低下してしまいます。 また、肥満の人は汗をかきやすい傾向にありますが、頭皮もまた汗をかきやすい部位です。汗と過剰な皮脂が混ざり合うと、雑菌が繁殖する絶好の温床となります。マラセチア菌などの常在菌が必要以上に増殖すると、頭皮に炎症やかゆみを引き起こし、脂漏性皮膚炎へと発展することもあります。こうなると抜け毛が一気に増える危険性があります。さらに、メタボの人は交感神経が優位になりやすく、常に緊張状態にあることが多いです。これも血管収縮を招き、頭皮の血行不良に拍車をかけます。頭皮が硬くなり、指で押しても動かないような状態になっていれば要注意です。メタボリック症候群の改善は、生活習慣病の予防という観点だけでなく、頭皮という土壌を正常化し、抜け毛を防ぐためにも急務です。内臓脂肪を減らすことは、頭皮の炎症を鎮め、髪が健やかに育つ環境を取り戻すための第一歩となるのです。